「今朝、ツバメが去った」
「もうすぐ冬ね」
1937年の仏蘭西映画。
原題「Un Carnet de Bal」
監督はJULIEN DUVIVIER(ジュリアン・デュヴィヴィエ)。
本国仏蘭西ではあまり評価が芳しくないようですが、日本では高い評価を得ている監督。何か華やかそうでいいなー、と思って手に取った作品。
以下、密林のレビュ抜粋。
36歳にして未亡人になってしまったクリスチーネ(マリー・ベル)は、身辺を整理していた際、20年前の日記を発見する。亡き夫からは他の男性との交流をまったく許されていなかった彼女は、もう一度人生をやり直す糸口として、16歳で初めて舞踏会に出たときに出会い、彼女に愛をささやいた男たちを訪ねる旅に出る…。
マリー・ベル扮するクリスチーヌが過去の亡霊を探し、旅をするオムニバス形式のお話。変わってしまった過去の男性達に再開するがそれは彼女の美しい思い出の人を一人、また一人と失ってゆくにすぎないものだった。…と、ここまで書くと何だか味気ない映画のように聞こえますが、再開するそれぞれの男性との一編はペシミズムとロマンティシズムをふんだんに孕んでいるのです。
ストーリー、俳優陣、音楽、そして演出、どれも極上。
香水の纏わりつくような匂いと、路地裏の埃っぽい匂いそれが交じり合って鼻腔を刺激します。
甘ったるすぎもせず、かといって現実的もせず…、
仏蘭西の古き良きオトナのロマンス。
「初めての舞踏会なんて初めての煙草と同じようなものよ」
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